まだ元気なときに生前葬を行いたいという強い意志で実施をする高齢者は増えています。結果的に葬儀を行うことになるのになぜ生前葬が必要なのでしょうか。それは、人生80年という長寿の時代において、何事にも自分自身で区切りをつける必要が出てきたからです。
たしかに、長く生きることは素晴らしいことであると言われています。葬儀のときに大往生であったということを遺族から言われることは、高齢者にとって喜ばしいことかもしれません。しかし、葬儀を子供や孫に任せきりにしていてはいけないという気持ちを持つ高齢者も増えているといいます。
自分が亡くなってしまえば、全てを他人に任せる必要が出てきます。思い描いたような葬式を執り行えるという確約はありません。そこで、まだ元気でいきているうちに自分が思い描く葬式を生前葬として執り行っておくことで、人生に区切りをつけることができるようになります。
自分の手の届く範囲で招待客を選び、スピーチをしたり食事をしたりすることで、今生の別れを惜しみ、人生の終わりのための準備をします。それを行っておけば、最後のお葬式がどのような形で終わろうとも、心残りになることはなく、安心して旅立っていけるからです。